税務 × AI

データの「過酷な旅」――税務テクノロジーが申告・プロビジョン・レポーティングを変える

Thomson Reutersが公開したこの記事によると、今日の企業における税務データは、まさに「過酷な旅(tortured journey)」を経ていると表現されています。ERPや会計システム、給与システム、グループ各社の財務データなど、複数の異なるシステムに分散したデータを、担当者が手作業で収集・変換・整合性チェックしながら税務申告やプロビジョン計算、対外レポーティングに使える形へと仕上げていく――このプロセスが、多くの企業で膨大な工数を生み出し、ミスや遅延のリスクを高める温床になっているとのこと。同記事では、こうしたデータの断絶を解消する手段として税務テクノロジーの活用を推奨しており、データの一元管理・自動変換・リアルタイム連携によって、税務コンプライアンス対応のスピードと精度を同時に高められると紹介しています。特にグローバルに展開する企業において、この課題の深刻さは顕著だそうです。

税務データの「過酷な旅」を解消する

実務への示唆

データ収集・加工の工数を可視化してみる価値がある。 日本の税務実務でも、法人税申告や開示資料の作成にあたって、複数のシステムからExcelにデータを転記・加工するという作業は珍しくありません。まずどのプロセスに何時間かかっているかを把握することが、テクノロジー導入の第一歩になりそうです。

「効率化」だけでなく「品質」の観点でシステム整備を検討したい。 海外では、税務テクノロジーの導入目的が単なる時間短縮から、エラー防止・監査対応力の強化へと移ってきているように見えます。日本でも、税務リスク管理の文脈でシステムを整備するという視点が今後重要になってくるかもしれません。

グループ税務・連結申告を担う事務所・企業は特に注目しておきたい分野。 データの断絶問題はグループ会社が多いほど深刻になる傾向があり、連結納税・グループ通算制度の実務を担う立場では、この領域の動向を押さえておく価値があります。

私の所感

「データをつなぐ」という課題は、税務の話というより情報システム全体の話になるので、税理士だけで解決できる問題ではないのが正直なところで、関係部門を巻き込んだ議論が必要になると感じています。それでも、税務側から「こういうデータがこの形で必要だ」と明確に要件を出せる専門家の存在が、今後ますます重要になってくると思います。

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